肩凝り

肩こりとは

 次の原因による、肩の筋肉の異常緊張です。
  ① 姿勢(平背、猫背、側湾等)
  ② 偏った運動と手や目の使いすぎ
  ③ 首や顎、腰等の異常(構造的なバランス異常)
  ④ 胸腹圧の高まり(内臓疾患や内臓への負荷による)
  ⑤ 精神的緊張

筋肉の関連について

 ① 筋肉のフィードバック機構について
 筋肉は、縮みすぎや伸びすぎにより、筋肉自身や骨を傷つける恐れがあるので、 筋肉内のセンサーを働かせて、行き過ぎを防ぐ機能を持っています。

 ② 前後、左右、上下、深浅のバランスについて
 身体の深部にある筋肉は主に身体のバランスを、浅部にある筋肉は主に大きな 動作を受け持っています。そして、前後、左右、上下と深浅部の筋肉が共にそれ ぞれ制御しあって、程良くバランスを取っています。

 ③ 呼吸筋と横隔膜について  <呼吸法詳細>
 腹筋や横隔膜の働きが悪いと、胸郭(肋骨)の動きが悪くなり、肋間筋や首の奥の筋肉 (斜角筋群)に影響します。

 ④ 僧帽筋について
 首、背骨、肩甲骨に付いている大きな筋肉で、よく凝る部分です。しかし、上 部(首から肩)の筋ストレッチは特に注意が必要です。首や肩がつったり痛くな るまではストレッチしないで下さい。筋肉でなく,首の骨の関節に無理(捻挫)がきます。

ストレッチ法

 息を抜きながら気持ちよい程度です。 通常皆さんがストレッチと称して行う力の半分ぐらいで充分だと思います。強すぎると筋肉は 反対に締まっていきます。下手をすると関節を傷つけます。

 たとえ変形があったとしても、筋肉バランスを整えることにより痛みはずいぶんと軽減されます。また、熱がありジクジク痛む時はアイシングが必要です。

症 状 ストレッチ筋 強化筋
目や神経疲れ 項部筋・斜角筋 胸鎖乳突筋
平背 僧帽筋・菱形筋 下半身(歩行)
猫背 広背筋・大円筋 僧帽筋
側湾 広背筋 広背筋(反対)・下半身(歩行)
腕の使いすぎ 肩の内旋or外旋筋群・腕の筋 ストレッチ筋の拮抗筋

経絡について

 東洋療法では経験的に身体機能を12系統に分類し、それぞれの系に流れる気の道を経絡と呼んでいます。 この流れををもっと簡単に分けると身体の腹側、背側、外側の3つに分けることが出来ます。

「つぼ」の活用

 軽く「ツーン」とする程度に押さえる。

首の動作 原 因 つ ぼ 場 所
上に向きづらい 腹 側 合 谷 親指と人差し指の付け根の間
足三里・豊 隆 足すねの筋肉で押すと痛い場所はどこでも良い
下に向きづらい 背 側 養 老 手首小指側の骨の凸上方
飛 陽 ふくらはぎやや外側で筋腹の終わるところ
横に傾けづらい 外 側 中 渚 手の薬指と小指の付け根の間
臨 泣 足の第4指と小指の付け根の間
振り向きづらい 複 合  「つぼ」を組み合わせて使う 

肩凝りと関連した疾患

症 状 考えられる病名 原 因 対 策
肩、手が重痛く、しびれる。 胸郭出口症候群 鎖骨上下の筋肉緊張(首・胸)等による神経圧迫 胸を張るのを止め背を丸める。
神経根庄迫等 首骨の間での神経圧迫 上向きと痛い方への振向き動作厳禁
肩が痛い、動かない。 五十肩 肩関節の炎症・筋硬縮 筋ストレッチ・運動は痛くない範囲で
腱板障害 肩の前方にある腱部の炎症(野球肩等) 急性期はアイシング安静、後にストレッチ
脱臼、骨折等 外力 疑いがあれば整形外科へ
首が痛い、動かない。 寝違い 筋硬縮・椎間関節捻挫 急性期はアイシング安静、後にストレッチ
頸椎捻挫 外力 急性期はアイシング安静、後にストレッチ
慢性的肩凝り   姿勢・胸郭の動き制限 歩行・筋ストレッチ

まとめ

① 一番つらい所は?そして、どこへ動かすと一番つらい?
② どうしたら一番楽になる? (つらい場所と反対の動きのことが多い)
③ 痛いところでなく動きの悪い所、気持ちの良い所に「つぽjの活用とストレッチをする。
④ つらいところはむやみに触らない。動かさない。
⑤ 息が止まる程、頑張らない。